やり貝日記

多分ゲームのこととかを書きます。

ステータス、オープニング!

 

今回頂いたお題は転生・冒険者・ステータスです。

目指すぜなろう作家。 

 

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異世界に転生するにあたって、貴方の望みを一つだけ叶えたいと思います!規則ですので!」

 

 目の前で女神を名乗る存在が何かしらの説明をしているような気がするが、放心状態の自分の耳には入ってこなかった。

 

 死後の世界も、異世界も、本当にあったのだ。

 

 何が功を奏したのかはわからない。たまたまトラックに轢かれそうになっていた幼女と猫を助けたことのポイントが高かったのかも。そんなことは関係なく、実は死んだら人類皆転生ができるのかもしれない。

 

 まあそんなことはどうでもよいのだ。大事なのは、自分があのつまらない世界からおさらばして、これから楽しい異世界へと転生できるということ。血沸き肉躍るような冒険を繰り広げるもよし。のんびりスローライフを過ごすもよし。わくわくが止まらなかった。

 

「……ちょっと聞いてますか?一つだけあなたの願いを叶えるって言ってるんですよ?早く答えてくれないと、こちらで決めてしまいますよ!女神も暇ではないので!」

 

「ああ、すみません。えーっとですね……」

 

 普段使わない頭をフル回転して考える。

 

 時間停止や女にモテやすくなるみたいなチート能力を貰うのはどうだろう。一瞬そんな考えが頭をよぎったが、すぐに冷静になる。いや、ダメだ。自分は単なる帰宅部の高校生。異世界の重力が小さいみたいなご都合パターンがない限り、チート能力を貰っても基礎能力が低すぎて扱いきれないだろう。

 

 ただ、肉体が強すぎるというのもどうなんだろう。少し腕を振っただけで地形を変えてしまうほどに強くなってしまうとそれはそれで困る。自分は別に魔王になりたいわけではないのだ。

 

 ああ、早く答えを出さなければ。もう、これしかないか……?

 

「HPを、体力を増やしてほしいです!!!」

 

 咄嗟に答えてしまったのが、これだった。体力が多ければまず死ぬことはないだろうし、ゴリ押しで強い敵にも勝てるだろう。即死魔法みたいなものもあるかもしれないが、大体のゲームでは耐性装備を付ければなんとかなるし、異世界でもなんとかなるだろう。防御力を増やすのも考えたが、防御無視攻撃が怖かった。

 

 後になって思うと、この選択が最大のミスだった。死にたい時に死ねる不老不死になりたいとか、もっと願いようがあったはずなのだ。

 

「なるほど。HPを増やしたいんですね。どれくらい増やしたいとかっていうのはありますか?」

 

「? どれくらい、と言うと?」

 

「貴方がこれから転生する異世界にはですね、『状態公開(ステータスオープン)』と呼ばれる魔法があるんです。対象の体力、攻撃力、防御力、魔力、素早さを数値として表示してくれるっていうとっても便利な魔法なんですよ。」

 

 女神が説明口調でまくし立ててくる。きっとこの人は今まで何度も自分みたいな人間の応対をやっていて、この会話にも何の感慨も抱いてないんだろうなあと考えると、少し悲しくなった。

 

「ちなみに冒険者平均のステータス数値はどれも20ですね。それを踏まえて、体力をどれくらいにしたいですか?」

 

「あっ、無限とかいうのはやめてくださいね。実は神々も有限の存在だったりするので、無限は扱えないんですよ。」

 

 再び頭をフル回転させ考える。

 

 まず頭に浮かんだのは1兆だった。大きい数字を答えろと言われたら1兆が出てくる人が多いのではないだろうか。だが一般冒険者の5000億倍と考えると心許ないような気もしてくる。

 

 敵の攻撃力がわからない。こちらの世界でいう核ミサイル級の攻撃を連発してくるような敵が平気でいる世界なら、HPはいくらあっても低すぎるということはないのだ。

 

 要は、自分が思いつける数字の中で一番でかいのを言ってしまえばいいのだろう。9999劾?いや、無量大数とかいう単位もあったっけ。

 

 ……ちょっと待てよ?ちゃんと聞いてなかったが、数学の教師が巨大数とかいうのを話していた気がするな。グラタンだとかベーコンだとか。えーっと確か……

 

「……グラハム数?」

 

 その言葉を聞いて女神は少しぽかんとしていたが、すぐに元の表情に戻ってこう答えた。

「あー。あれですね。大丈夫ですよ。体力をグラハム数にしておきます。」

 

 お、通った。少しは学校の授業も役に立つんだな。三角関数とかいうよくわからないものよりもこういうことを教えるべきなんだよな。

 

「じゃあ早速、貴方を異世界に飛ばしますよ?準備はいいですね?」

 

「大丈夫です」

 

「じゃあ行きますよ?……それっ!『ワープ』!」

 

 こうして俺の輝かしい異世界ライフがスタートしたのだった。

 

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冒険者ギルド~

 

「……はい。これで手続きはほとんど完了となります。最後に、あなたのステータスを計測しますね。」

 

 女神に異世界に飛ばされてから、俺はほぼ苦労することなくかなりの規模の城塞都市にある冒険者ギルドまで辿り着いた。

 都市の門番には道中で倒したモンスターの素材から得た金を渡して黙らせ、転生の標準権能として貰っていた異世界語理解の能力を活かせばなんということはなかったのだ。

 

 今まさに、自分は冒険者ギルドで冒険者になるための手続きを受けている。この世界の冒険者は過去の身分や経歴を気にするような職ではないらしく助かった。

 

「ああ、『状態公開(ステータスオープン)』を頼むよ。」

 

「お詳しいんですね。では、その水晶玉に手をかざしてください。」

 

 実は異世界に来てからというもの、ステータスオープンをやる日を待ちわびていた。自分の体力を見て、周囲の人間はどんな顔をするだろうか。たちまち最強の存在として尊敬を一身に集めてしまうかもしれない。目の前にいるギルド職員だって、一瞬で自分に惚れるかもしれない。なかなかに可愛いから、妾くらいにはしてやってもいいかもしれないな。期待に胸が高鳴って仕方ない。

 

「ではいくぞ…… 『状態公開(ステータスオープン)』!」

 結論から言うと、自分のステータスが完全にオープンすることは、なかった。

 

ーーーステータスーーー

氏名: 逆月 次郎

年齢: 17

種族: 人間

性別: 男

体力: 1397793656252768130955989664670312461686718571462884461321861049312456679222241983678671003662489017439835283674946217414580710986093744681881577263048178189150997649842013522644585060240111087266566835643525977414357754081782976299105975609586251654324639165155173137924456506026236831398222252954009458905476725063387443973650085826188650570877036638970957580690366997165460754924478930490876612356624610054670909430551097717419341948895226663183500526686215539291407698458571026178669850526136362024220315053839298125149693450306601984377976979527402990910744450979039643817831214420475535459613735702602150119234743941543587333344890010200212511582917227901199701341717144858784569098123390053542840187668637984687058119977622221108722650066566712842664155053056944989663539716908959736711362458744066188845501047960116931140440266342789256550350895083950391868235812062851884092204074431009039771971261740926944381013503076164007852617213788582556880969834386777589162005426383410800897453845310315437598865939157689801078811146251718312812119401470390603218607770734315247659207023054094184871235428247339773059029884913648155621392507891731810852085550153085803891519846134669351069133482326596202385965886115364376777848609305945362046149709656097514951403679174887181706321719797944104542334350205961493070408558512710773701445895160311418038282565150043887111557447728662619724653540418129238675057954352070086411310709146068774918156250942372450602508701209463397051260145559905011627340800682907730374147590128560815213916800137855627405184762425129137826298266544697430889004252551549538727209882904482361344694566538835920302983321057436616803038237438819053674987221623475689744319764580785510842421270116490587125924962264286632035692497323213156663970850149434089127086522602842196045086954307286329807891224491942228810727441029056404807521638700084593630621995874043050469678376094711128446756799853343384551959505097156756592488536261807135488206310670553716793132666495053467314786339903857747801703487468887727266656368233301554998592933933110792019367693278655271311863085578849115457463093331816867135917700903185442915099481165379754984402076543447827261343048371031667039086475890181690139853644507028126147306676388461945984937350427243032005634492835577659088220741307687293361081235428963829193244361000446970020341053971329531586335415386433920249139213149143425945080645017817076951863512696607851092624277557783383650911126449290796404367482802371245499548978086865972727277589415247920095777872216528401164855802036381510218325350083309733901217001284693536848054934519168418500724202603327257178566555167141692298134773707491018157997798914190896370589669898365157348828500474601412411749213294428625183509023367813576288106869602381363931961394864131574418296107804637088275630608814596123390902265285624054581472496083108272766074492948073435088602046144283897517123206971151768456102609841499622311843248835272418616434974039103708896211493177015346965027893830462717241668053689156567834988861815388764028995405810316370284476260130454613770907359438877756348660732511013902007693617004819914826621502815040616705733993618952983128946777072036711106490442328046847220972963722081140301203688721089808520171897221496400863278124908312053216568773444445034861724987378849724366363597662352898034268343551230551244011301941381290096805073925976690128894689676939958714006170795098728032273568191927323652439986813465830601299275976241856863729743526858626462729573472904313159148215100527632363626358786305899606184586048864440889232725959309802265552709132094613570394375180173633711560339697180302510202206752319267258646781309062695701554532318132836129541794958461010218967909559015138731618204765431442665647996914962615835710330168……

 

「……あれ?」

 

表示が、終わらないのだ。数字の羅列はとうにステータスウィンドウを突き抜け、部屋の壁までも突き抜け、どこまでまっても終わる様子がない。

 

「……故障か?」

 

「変ですね…… 故障していたら水晶玉が赤色に光るので故障ではないと思うんですが……」

 

 困惑しながら俺が尋ねるが、どうやらギルド職員も困惑しているようである。

 

「……まあいい。ギルドにステータスを登録する義務はないのだろう?この魔法を注視してくれるとありがたいのだが。」

 

「それが、できないんですよ……」

 

「……え?」

 

 ギルド職員が話を続ける。

 

「『情報公開』の魔法については知ってたのに、魔法則第三原理についてはご存じないみたいですね。一度発動した魔法っていうのは、効果が発動し終えるまで決して止まることはないんですよ。それにモルキアの魔法発動論によると……」

 

 もはや職員の話は頭に入ってこなかった。このステータスウィンドウを出したまましばらくの間生活し続けないといけないのか?本当に?

 

 だが、この時の自分はまだ事の重大さを理解していなかったのだ。精々二日くらいでステータスウィンドウを閉じれるだろうと、そう楽観視していた——

 

 

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 70年後。

 

 異世界での暮らしは、非常に味気ないものに終わった。世界の支配を目論んでいた魔王は俺の異常なステータスウィンドウを見ただけで戦意喪失して全面降伏してしまったし、美少女たちは気味悪がって誰も近寄ってこなかった。

 

 実は体力が多いだけで他は大して強くないということがバレてしまってからは、天文台の一室に閉じ込められている。ステータスウィンドウを右側に突き抜けていった数字が、左側からやってくる。これももう見慣れた、でも忌々しい光景だ。これのせいで俺は軟禁されているといっても過言ではないのだから。

 

 なんでも俺のステータスが返ってくる周期を利用して、完璧な暦を決めたらしい。世界が平面だと思われていたのも、俺のステータスウィンドウのおかげで球体ではないかという説が浮上してきてるんだとさ。

 

 船乗りたちは俺のステータスを目印に航路を辿るらしいし、遥か東方の国では俺のステータスウィンドウが輪廻の象徴として神格化されているとも聞いた。そうですか。

 

 俺のステータスがオープニングしているおかげで、この異世界の科学の発展に寄与しているのかもな。そう思うと少しだけ、温かい気持ちになる。いや、そう思わないと、やってられないのだ。

 

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・あとがき

 今回の話は「今までで一番なろう小説らしく」をコンセプトに作った。一人称視点がかなり難しくて、所々三人称視点と混じってしまっているような気がする。文章力不足って感じ。あと女神様を出して女キャラクターを書いてみたかったのだが、本当に難しかった。こんなのでなろう小説書いていけるのかな……

 書いてから思い出したのだが、グラハム数周りの話はかなり『グラハム数レ○プ!全次元一の大富豪と化した先輩(https://www.nicovideo.jp/watch/sm24243939』に影響を受けている。若干パクリっぽくなってしまったが許してほしい。

 ちなみにステータスのところで具体的な数字を出していますが全部想像です。本当のグラハム数の中にこのような並びの数列が含まれているかは知りません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うむ。では逆光を使って簡略化するのはどうだろう。

今回頂いたお題は、逆光・流星・王権神授です。

絶対なろう作家になるぜ。

 

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「というわけでですな、本日の議題は……」

 

 とある帝国にて、非常に重大な会議が行われていた。

 議題はずばり、「皇帝の肖像画をどのようにして作るか」というものである。

 

 事の発端は数日前。

 別の世界からやって来たという人物が、珍しい道具を携えて皇帝と謁見したのが全ての始まりだった。どうやらその時の珍しい道具の中に、風景をそっくりそのまま描き出してしまうようなものがあったらしい。

 原因はそれだけではない。別の世界の王族たちには、肖像画と呼ばれる自画像を作らせ、それを後世に遺す文化があるという話をも聞かされてしまったのだ。

 

 そんな話を聞かされて、虚栄心に塗れた我らが皇帝陛下が黙っていられるはずがない。すぐさま国中から画家という画家が集められ、ついでに家臣も集められ、肖像画を作ることになったのだ。

 

肖像画の作成にあたって、陛下が望まれている条件は3つある。」

 宰相が、面倒臭そうに話を続ける。

 

「第一に、写実的であること。陛下はあの怪しげな人間が持ってきたカメラとかいう道具をいたく気に入っておられた。毛の一本までも忠実に再現して描くようにとのご命令だ。」

 一部の者たちが、ため息をつく。

 

「第二に、陛下の偉大さを世に知らしめることができるようなものであること。ただ写実的であればいいというわけではないぞ。陛下が普段から放っている王としての威光まで漂ってくるような絵に仕上げよとのご命令だ。」

 その言葉を聞いて、ほとんどの者が顔をしかめた。

 

「そして第三に、神にも敬意を払った内容であること。知っての通り、我らが陛下の権利は神から授かったものである。故に陛下だけでなく神にも敬意を払っているような絵を作ること、と陛下はおっしゃっていた。」

 全員が諦めたかのような表情で、顔を見合わせた。

 

 しばし沈黙。

 

「「「いや、無理難題もいいところでしょう……」」」

 普段は自らの利権や主義主張のためにいがみ合い、蹴落としあっている役人たちの意見が初めて一致した瞬間であった。

 

 少し考えればわかることだ。そんな絵を描くのは無理に決まっている。

 

 そもそもいきなり写実的な絵を描けと画家たちに言ってもできるわけがない。万が一できたとしても王としての威厳とやらを絵に表現できるわけがない。第一元々ないようなものをどうやって表現するというのか。億が一上手くいったとしても神に敬意を払うなんて何をすればいいのかすらわからない。詰みである。

 

 誰もが王への言い訳を考え始めたその時のことだった。

 

「え~っとですね、もしかしたらなんとかなるかもしれませんよ。」

 一人の学者が、恐る恐る手を挙げて発言をした。

 彼は学者の中でも相当な変わり者として知られており、一部では屁理屈だけでのし上がってきた男などと呼ばれていた筋金入りの奇人であった。

 

「写実的、っていうのは要は現実に即して書けばいいってことでしょう?それなら陛下の御身が逆光に隠れるようにして描けばいいんですよ。そうすればほら、陛下の御身は黒く塗りつぶしてしまえばいい。それがリアルに描くということなんですから。」

 

「「「……」」」

 

 会場が凍る。誰もがこんなバカみたいな答えが出てくるとは思ってもいなかったのだろう。そんな解決策が通じるなら誰だって苦労はしない。いくら我らが王が無能そのものだからと言って、そんな適当な絵を出されてしまえば自分が侮られていることくらには気づくはずだ。

 

 周囲の落胆もどこ吹く風といったように、学者は話を続けようとする。

 ここまでの話だけではどれだけ荒唐無稽と思われるのかは、流石に彼自身も把握していたようだった。

 

「ここまでの話だけだと、確かにまともな絵なんて完成しないと思われるかもしれません。ですけどね、ここで我が国の伝説を利用するのですよ。」

 

「流星の伝説は皆様もご存じでしょう。かつて偉大なる初代皇帝陛下が神託を与えられたとき、空には紅き流星が光り輝いていたと言われています。それ以来、『流星』と『紅』という概念は我が国の皇族を象徴する重大な要因となってきました。つまり、『流星』と『紅』を絵の中に取り入れてしまえばいいのです。神により王権が授けられた際のエピソードが一目で分かるような絵にすることで、神に対する尊敬の念と、その神に認められている陛下の偉大さを表すことができるでしょう。これで第二と第三の条件はクリアできます。

 

「そして、流星が光り輝いているので当然陛下の御身は逆光に隠れることになります。そうすれば真っ黒な訳で、毛の一本まで細かく書く必要なんて生まれませんよ。これで第一の条件も簡単にクリアできるという訳です。」

 

「東方の僧侶たちの間では、偉大な存在には後光、後ろから光が差すとも言われています。よく知らないのですが、きっとその人たちの姿も逆光で見え辛いはずですよ。同じようなものです。要はこんな感じの肖像画を作ればいいんです。」

 

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 学者はそう言って得意げに頷き、発言を止めた。

 

「「「……」」」

 

 会場は相変わらず静まり返っていた。しかし、今度は呆れから静まり返ったのではなかった。

 ……非の打ち所がない。あまりの理論武装の完璧さに、全員が驚愕していたのだ。

 

「なるほど……」

「認めざるをえまい……」

「なんて完璧で隙のない方法なんだ……」

 

 やがて会場のところどころから賞賛の声が上がる。この方法で皇帝を満足させることができるのは、火を見るよりも明らかだった。

 

 「異議のある者がいなければ、これで会議を終わることとするが、どうかね?」

 

 「「「異議なし!!!」」」

 

 こうして、偉大なる皇帝陛下の肖像画が作られることになったのだった。

 

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「先生、この絵ってなんなんですか?」

 

「この絵はな、昔滅んだ帝国の暴虐な皇帝を描いた絵だと言われているんだ。天上には紅き凶星が降り注ぎ、周囲は民の血と怒りで真っ赤に染まってるだろ?中心の真っ黒な人物が皇帝だと言われているんだが。なぜ塗りつぶされているのかについては未だに意見が分かれていてなあ。一説にはあまりにも醜すぎて姿を残すことを嫌ったのではないかとも言われているが、本当のところはどうだったんだろうなあ……」

 

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・あとがき

 お題が難しかった。お題を上手いこと絡めながら綺麗にまとめてみたかったのだが、展開に少し無理がある感じになってしまったのが後悔ポイント。褒め殺しをする箇所でこれからのなろう展開に向けての練習をやったつもりだったりする。

 こういう短編一発ネタみたいなお話は昔のVIPにたまに立っていたSSスレみたいなのが一番馴染み深いので、どうしてもそういった方向に引っ張られがちなのだなあとか思っている。

 なろうで当てることを目的としているので本当はもっとヒロインとかを出していきたいのだが、未だに恥の感情が大きすぎて上手くキャラクターを動かすことができない。何が言いたいかっていうとなろう作家は本当にすごいという話。

 

 

 

 

  

恐怖!巨大殺人カマキリ VS 水晶生命体

与えられたお題についてポエムを書くやつをやっていきます。

今回頂いたお題は「カマキリ、ウラジオストク、水晶」でした。

目指せなろう作家。

 

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  2020年。ロシア極東、ウラジオストク

 

 国際情勢にも流行にも絡まないであろうこの都市で、史上最大の戦いが行われようとしていた。

 

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 ウラジオストクの地は歴史上様々な民族により支配されてきた。ある時は女真族に。ある時は中国に。そして今はロシアに。

 

 これらの国々には、得てして『山姥』の伝説が存在している。山姥は痩身の老婆のような見た目をしており、山奥に迷い込んだ人間を食らってしまうのだという。

 

 もちろんこれは単なる伝説にすぎない。魔法や怪物が迷信として切り捨てられた21世紀において、こんな伝承を信じる方が馬鹿げているというものだ。

 

 だが、火のないところに煙が立たないのもまた事実。この地には確かに"何か"がいるのだ。

 

 今まさに、その"何か"が獲物を見つけて飛びかかろうとしていた。

月光に照らされ鈍く光る鎌。ギョロギョロと動く大きな目。まるで骨が剥き出しになっているのかと思うほどに細く、角ばった身体のライン。

詳しい人間が見れば、すぐに気づくことだろう。――本当に骨、いや、骨格が剥き出しになっている――外骨格なのだと。

 

 この地に住む人々に古くから山姥として恐れられ、伝説の怪物と化していたものの正体は、体長5mはあろうかという巨大カマキリであった。

 

 カマキリの狩りは至ってシンプルだ。擬態し、油断した相手をその鎌で捕え、強靭な顎で噛みちぎる。サイズが大きくなろうが基本は変わらない。夜闇に紛れ、敵の油断を誘い、そして捕える。その強靭な鎌で一度捕えられてしまうと、逃げられる生物は地球上には存在しない。

 

 此度の狩りもいつもと変わらない。いつも通り油断しきった獲物を鎌で捕え、噛み砕く。それで終わる。

――はずだった。

 

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【巨大カマキリ スペック】

複眼: 天体望遠鏡並み。見落とすものは存在しない。

飛行能力: 極度に優れている。不眠不休でマッハ10で飛行可能。

パワー: 約1000000000kgw。成人男性の約40000000倍である。通常のカマキリの鎌は切断に特化していないが、このカマキリは鉄筋コンクリートのビル程度なら軽々と切断できる。

外骨格: 非常に頑健。ナパーム弾でももろともしない。

顎: カマキリ最強の武器。ダイヤモンドすら軽々と引きちぎる。

精神: 武士道を持ち合わせている。

 

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 1908年6月30日。ロシア帝国ツングースカ川上流にて原因不明の大爆発が発生した。俗に言うツングースカ大爆発である。

 

 ガス爆発や隕石の落下が原因ではないかと有力視されてはいるものの、真相は誰にもわからない。ましてや、爆発直後に爆心地から立ち去った一匹の生命体のことなんて、誰も知りはしないだろう。

 

 珪素生物、と呼ばれる概念がある。炭素と珪素の類似性から、地球のような炭素を中心に構成される生物ではなく、珪素を中心に構成された生物も存在しているのではないかという概念であり、SF界を中心として話の種にされてきた。

 

 今回の場合には、人間が想像可能なものは全て実現可能であるという言葉は正しかったようである。爆発は、珪素生命体が大気圏外から地球に落下してきたことによる衝撃で起きたものなのだから。

 

 落下してきた珪素生物は、全身が水晶で構成されていた。大気圏外からの突入と着弾にすら耐えるその強靭な肉体。地球上の誰であろうと傷つけることはできないだろう。――ただ一匹を除いては。

 

 彼(あるいは彼女)の目的は至極単純だ。世界の破滅である。彼はその強靭な肉体を持って今まで数千の星から生命体を消滅させてきた。星を破壊する過程で行われる強者との戦い、そしてその果てにある星の住人たちの絶望。岩に等しい寿命を持ち、あらゆることをやり尽くしてしまった彼にとってはそれが数少ない楽しみとなっていたのだ。

 

 彼は失望していた。この星は文明レベルが低すぎる。着弾した際にあまりの文明レベルの低さに失望し、淡い期待を抱きながら100年を待った。彼にとっては100年など瞬きする時間にも満たない。だが、100年待っても核兵器程度の技術しか産まれず、あまつさえ自らの手で文明を滅ぼす日が近いであろう地球人に、これ以上付き合う必要はないと判断したのだ。

 

 地球滅亡のために動き出そうとしたその日、彼は夜道で謎の生物に襲われた。攻撃を振りほどき、相対する――

 

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【水晶生命体 スペック】

視力: 存在しない。電磁波により全てを知覚する。

飛行能力: 跳躍のみで宇宙空間に到達可能。非常に高い。

パワー: 約1000000000kgw。成人男性の約40000000倍である。

肉体: 全身が非常に硬い鉱物で構成されている。ダイヤモンドを引きちぎるほどのパワーを持たない限り、傷付けることは不可能だろう。

精神: 武士道を持ち合わせている。

 

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 ――相対した瞬間、カマキリは理解した。これは単なる獲物ではないと。本能が、そう告げていたのだ。

 

 今まで見てきた生命体は全て、獲物であった。周囲のボスとして君臨していたヒグマも、猟銃で武装した人間も、迷い込んできた子供も、皆等しく餌にすぎなかった。

 

 この感情は、なんなのだろうか。まだ幼い頃に抱いた恐怖とも、獲物を刈り取った時の愉悦とも違う、この感情は。

 

 好敵手と出会うことによる高揚感というものを、カマキリは初めて理解したのだった。

 

 ――相対した瞬間、水晶生命体は理解した。ここが自らの「終点」であると。本能が、そう告げていたのだ。

 

 今まで見てきた生命体は全て、格下であった。恐ろしい科学力を備えた星も、太古の竜たちによって支配されていた星も、皆等しく滅ぼしてきた。

 

 この感情を知っている。長らく抱いていなかった、この感情を。

 

 戦えばどちらもただでは済まない。好敵手との出会いによる高揚感と、自らの終わりを感じながら、水晶生命体はない顔で笑っていた。

 

 かくして、二匹の獣は出会った。どちらが勝ち、どちらが負けようとも、これが宇宙史上に残る最大の決戦であることには間違いがないだろう。

 

 両者は向かい合って互いに飛びかかり、そして――

 

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・あとがき

 B級パニックアクションみたいなのが書きたかったんだけど、難しかった。セリフとかを考えるのがもっと難しいのでこれでも書きやすい方だったんだけど、本当に先が思いやられるなあ。

 

 

 

仁王と呼ばれた青き目のサムライの真実を求めて ~太宰府編~

 ついに旧スマホの復旧に成功したので仁王聖地巡礼旅行太宰府編を振り返っていきたい。

 仁王プレイヤーの皆様なら当然知っていることではあるが、大宰府は九州編ラストのステージであり、やたら強い鵺とやたら弱い偽立花宗茂が印象的だ。二次創作にすぎない福岡県の太宰府は、一体どのように原作の仁王を再現したのだろうか。

 

みどころその① アムリタ売り場

 仁王という物語の中核に関わってくるのがアムリタと呼ばれる不思議な力を秘めた石だ。仁王の中で語られる史実によると、元寇の際に日本がモンゴルを撃退できたのはアムリタのおかげであり、イギリスが大航海時代に世界の覇権を握ることができたのもアムリタのおかげだという。

 大宰府は仁王世界においてもアムリタが大量に眠る地であったが、二次創作においてもそれは忠実に再現されていた。

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 この石ころ館、まず名前からして怪しい。石ころと言えば仁王に登場する投擲アイテムである「石」のことに他ならないだろう。店名からして仁王を意識しているということは、売られている品物も仁王を意識しているということだ。店内に入ってすぐに、それが偽りではないことに気づいた。平然とアムリタが売られているのである。


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 これを見てもらいたい。仁王プレイヤーなら一目見ただけでわかるとおもうのだが、どう見てもアムリタである。大きさ的には小さな霊石、といったところだろうか。防犯カメラまでつけられており、盗みを働こうものならすぐに鵺と陰陽師が飛んできて落命させられてしまうだろう。原作でアムリタが盗まれ酷いことになったため、二次創作でその悲劇が繰り返されないようにする殊勝な心掛けが伺える。

 

みどころその② 仁王ショップ

 石ころ館の近くには戦国時代の品々、つまり仁王の品を扱った店舗も存在していた。店内に入るとあまりの仁王要素の多さにひっくり返りそうになってしまった。やはり仁王の聖地だけあって仁王ファンを意識した品揃えになっているのだろうか。以下にその一部を記す。

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 完全に仁王を意識した鎖鎌。この鎖鎌で藪切をして鵺が沸いた場合に対処することを想定しているのだろう。ちなみに同行していた方がこの鎖鎌を購入したのだが、刃物扱いされて空港で取り上げられそうになったらしい。空港の検査官も鎖鎌の危険性を理解した仁王プレイヤーなのだろう。


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大一大万大吉六文銭。共に仁王に登場した武将の家紋である。Tシャツではあるが着ると揃え効果があることはほぼ確実であり、八尺瓊勾玉と合わせて使いたい一品である。

こんなもの仁王プレイヤー以外の誰も買わないだろ。


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 鎧のミニチュア。武田氏の鎧はあの仁王最強装備の楯無であり、その下には皆大好き井伊直政の赤備え、俗にいう赤鬼装備が飾られている。この並びはどう考えても仁王を意識しており、店主が仁王の大ファンであることが伝わってくる。

 

みどころその③ 例の橋

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 この橋、見覚えがないだろうか。そう、仁王の太宰府ステージの地上部分にあった橋を忠実に再現したものである。原作においては途中で崩れたりしていたような気もするが、二次創作では修繕されていた。例によって安全性のためだろう。当然周りには爆弾を投げてくる敷次郎もいなかった。

 

みどころその④ 守護霊たち

 大宰府は仁王を意識しているだけあって、様々な守護霊が闊歩していた。私が見つけられたのは4匹 (3種類)だけだったが、もしかしたらウィリアムさんのように精霊に好かれやすい男ならばもっと多くの種類を発見できるかもしれないので、精霊に好かれている自身のある人は是非自分で探してみてほしい。

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 境内で寝そべる伏牛。伏牛は確かに九州編で登場する守護霊であり、原作準拠と言えるだろう。頭に装備をしているので防御力も高そうでいいと思う。


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 真田幸村の守護霊、炎駒。麒麟の一種である。かっこよさの割には本編での影が薄い気がするが、大宰府ではかなり目立っていた。


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伏牛その2。こちらは白くて大きい。


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 本田忠勝の守護霊、神鹿。よく見ると手前にメスがいるのがわかる。守護霊に性別ってあるんだろうか。

 

みどころその⑤ 鵺のボス部屋

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 ここに見覚えのあるプレイヤーは多いはずだ。鵺と戦ったボス部屋を忠実に再現した場所だからである。春日局さんに「命が惜しくば、引き返すのです」と言われていたにも関わらず中に入った不届きものがこんなにもいることには驚きを隠せなかったが、次の瞬間には全員雷に撃たれて落命していたので安心してほしい。 


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 ボス部屋の隅っこの方にあるよくわからない柵で囲まれたところももちろん忠実に再現されている。この再現度はすごい。鵺戦をやり辛くするためだけに配置されたオブジェクトじゃなかったんですね。


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 この灯篭を通ったあたりで鵺が登場する。初撃の雷で落命したプレイヤーは多いはずだ。


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宗茂


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 ボス部屋の隅のほうにあるよくわからないオブジェその2。


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 原作ではここから地下に行くことができた。この人たちは一見参拝の順番待ちをしているように見えるが、もちろん地下に行くために並んでいるのである。しかし二次創作の太宰府は予算不足なのか地下を作ることができなかったようで、皆それに気づくと悲しそうに参拝だけしてこの場を後にしていた。

 

みどころその⑥ 大宰府地下

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 実は少しだけ地下が作られているらしい。文化研究所などと嘯いているが中でアムリタを使った最低な人体実験が行われていることはほぼ明白だろう。


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 "出土した"建物の柱。この柱、どこかで見たことがないだろうか?

実はこれ、偽立花宗茂戦で我々が散々ぐるぐる回った柱なのである。 

 

みどころその⑦ 例の倒して橋にする大木

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原作では切り倒して足場として使われていた木も忠実に再現されている。この大きさまで木を育てるには100年単位で時間がかかることは明白であり、100年以上前から仁王の原作再現のための準備をしていたのかと思うとその頑張りには頭が上がらない思いである。本当に仁王好きな人が作ったんだろうな。 

 

おまけ


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立花宗茂資料館近くの立花うどん。牛肉ごぼう天うどんが美味しかった。


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立花宗茂資料館近くの無間獄に出てくる渡し船。こういう細かいところまで凝ってるのが憎いなあと思う。


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誰?


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立花宗茂資料館に展示されていた廿楽。盗人が貉に殺される事件が多発しているらしい。


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 立花宗茂の墓。ビールが供えられているのが印象的。多分この場に捨てていっただけだと思うんですけど。

 

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 猿飛峡谷とかいう危険そうな場所。猿飛佐助は一切関係ないらしい。

 

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福岡空港にあるラーメン海鳴。名前からして海坊主を意識しており、事実ラーメンの中からビームを打たれて落命しかけた。

 

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二王と呼ばれた鈍色に輝く刀の真実

 

今年やったゲーム

今年やったゲームで印象に残っているものを書いていきます。

振り返って初めて気が付いたんですけど今年は一つ一つのゲームに時間かけているせいであまり本数としてはやれてないっぽいですね……

来年はたくさんやっていきたいなあ。

 

・仁王

 去年からずっとやってる。説明不要の神ゲームであり、今年はこのゲームに支配されていたといっても過言ではない。

 

FF14

 主に2~4月くらいに猿のようにプレイしていた。オンラインゲーム特有のしょうもなお使いイベントやギスギス感まで含めて楽しむことができたので良い体験だった。FF11もそうだったけどああいう世界で獣人とかにも文化があって馴れ合ったりできるイベントがあるのがすごい好きなので、そういう意味でもいいゲームだったと思う。イシュガルド入ったあたりで止まってしまったけど復帰したいとは常に思っている。ただ時間がない……

 

マナケミア

 戦闘システムがすごい面白いのですごいと思う(語彙力不足)。キャラクターもみんなぴょこぴょこ動いて可愛いのがレトロなゲームらしくていいなあといった感じ。オープニングにムーペくんだけ出ていないのがものすごく気になっているんですけど、なんでなんですかね。同時期にイリスのアトリエも始めたのだがそっちは全然やれていないので割愛。

 

・リトルドラゴンズカフェ

 正直クリアまでならそんなにクソゲーではないと思う。クリア後にレシピコンプしようとすると急激に救いようのないゴミカスゲームになる。思い出したかのようにたまにプレイしているが未だにレシピコンプできていない。

 

・FE風花雪月

 FEシリーズをほとんどやったことがなかったのだがとても楽しめた。個人的に今年一番出来のいいゲームだと思う。3ルートやったのだがルナティックやイエリッツァ先生に手を付けていないのでそのうち消化したい。

 

・モンハンアイスボーン

 MHWの続編。結構楽しめたが、傷つけシステムといい導きの地といいバカみたいなシステムも多い。ムフェトジーヴァも最初は楽しかったのだが10回くらいやったら飽きてしまったし、もしかして向いてないのかもしれない。

 

ポケモン剣盾

 すごいいい部分もあるけどお粗末な部分も多く、よくわからないゲーム。やって損しないのは間違いないと思うのだが…… 久々に対戦をやっているけどまあまあ楽しい。ダブルを始めたのだが3桁と4桁を行き来するくらいで今のところは落ち着いており、もっとうまくなりたいなあとか思っている。

 

 

 

仁王と呼ばれた青き目のサムライの真実を求めて ~浜松編~

 前回の記事から大分間が開いてしまいましたが、またまた聖地巡礼をしてきました。本当は前回の太宰府編の記事から書きたかったのですが、スマホを買い替えた際に画像が消えて現在鋭意復旧中なのでもう少しお待ちください。

 

 今回行ってきたのは静岡県浜松市。仁王東海編のミッション、『彼岸への思い』の舞台を忠実に再現した清瀧寺があることで非常に有名ですね。ステージボスは築山殿の怨念が怪物と化した『鬼女』でした。一体どれくらい再現されているのでしょうか。

 

 浜松駅から新浜松駅へと徒歩で向かい、そこから遠州鉄道に揺られること約40分で西鹿島駅へ。西鹿島駅から更に天竜浜名湖鉄道へと乗り継ぎ、そこから2分ほどで二俣本町へと到着します。ここが清瀧寺の最寄り駅です。天竜浜名湖鉄道の方は一時間に一本程度しか運航しておらず、調べないで適当に向かうと一時間くらい待ち時間が発生するので注意してください(一敗)。

 

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 二俣本町駅の看板。天竜二俣の名から分かるように、かなり近くを天竜川が流れています。おそらく幾度となくウィリアムさんを溺死させてきたあの水辺は天竜川だったのでしょう。

 

 二俣本町駅、なんと無人駅でした。駅員もいなければ改札もなく、電車内で切符を取るタイプです。仁王で町おこしをしているという訳でもなく、鬼女せんべいや鬼女クッキーが駅前で売られているということもありませんでした。残念。

 

 二俣本町駅から徒歩10分、ようやく目的の清瀧寺が見えてきました。原作の仁王では山奥にひっそりとある感じだったため悪路を歩かされることを想定していたのですが、実際はそんなこともなく住宅街の中にポツンと存在しています。最初見落としそうになるくらい自然に住宅街に馴染んでいました。

 

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 一応奥の方に看板があったりします。

 

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 原作の仁王では彼岸花がそこかしこに咲き乱れていましたが、時期が違うからなのかまったく彼岸花は生えていませんでした。ただ丁度冬に入りたての時期だったことが幸いしたのか、真っ赤に染まったモミジで地面が埋め尽くされており、まさに『血塗れ』で仁王ライクな雰囲気に溢れていました。おそらく原作を少しでも再現しようと頑張ったんだと思います。えらい。

 

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 寺の奥へと進んでいくと、見覚えのある場所に着きました。一般人の立ち入りは禁止されているので入れませんでしたが、鬼女と戦ったボス部屋ですね。実際の仁王のステージとは違って、かなり小さめな作りになっていました。この狭いステージで鬼女に襲われたら一般人ではひとたまりもなく、おそらく死人を出さないために立ち入りが禁止にされているのでしょう。

 

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 寺の近くにはまたまた見覚えのある光景がありました。そう、池の真ん中にある社ですね。鬼女と戦うときに人によってはここの社にお世話になったことでしょう。

 

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 しっかりと奉納し、先に進んでいきます。

 

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 池の社の右隣には、原作通り階段と建物があります。骸武者に警戒しながら進んでいきましたが、襲われることはありませんでした。厳島神社で買った交通安全のお守りがもしかしたら守ってくれているのかもしれません。ちなみに階段を上った先は絵馬やおみくじの置いてあるごく普通の神社といった感じでした。神仏習合ってやつなのかな。

 

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 もちろん池の社の近くの清められた筆が拾える死体を妖鬼が襲っている場所と、その先の櫓も完全に再現されていました。実は櫓の上には当然爆弾を投げつけてくる敷次郎がいたのですが、仁王をやっていたおかげで大筒で逆に殴り返すことができました。仁王ってすごい。

 

 というわけで、清瀧寺探索はこれで終わりとなります。いつもより短いような気もしますが、流石に二俣の広大な地形や転がってくる輪入道、どうみても地面なのに当然落命する滝の下などは再現できなかったのかここ以外にはほとんど見どころのある場所はありませんでした。近くの二俣城跡にも行ってみたのですが、特に仁王らしいスポットを見つけることはできませんでした。もちろん僕が見つけられなかっただけという可能性も高いため、この記事を読んで興味を持った人は是非仁王巡礼をしてみてください。

 

~おまけ~

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 浜松近くの弁天島にあるエセ厳島神社。仁王人気にあやかりたいからってこれはやりすぎだろ……

 

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 同じく弁天島にあるガヴドロの看板。仁王世界にもキリスト教が実在することはわかっており、おそらくそこから着想を得て作られたアニメなのだろう。

 

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 二俣本町のすすき。すすきを見ると岩を探してしまう奴がいたらそいつは仁王プレイヤーに違いない。

 

 

 

仁王と呼ばれた青き目のサムライの真実を求めて ~中津編~

 この記事は『仁王と呼ばれた青き目のサムライの真実を求めて ~黒島編~ - やり貝日記』の続編になります。先にそちらから読むことを推奨します。

 

 前回の記事では仁王においてウィリアムさんが最初に訪れたステージである『鬼の棲む島(黒島)』へと巡礼し、様々なウィリアムさんポイントを紹介してきました。今回は仁王における2つ目のミッションである『闇の奥』の二次創作である大分県中津市を紹介していきたいと思います。中津市ですが、同じ大分県とはいえ黒島からは結構離れています。(車で2時間くらい。)道路が開拓されている現代においてこれなので、ウィリアムさんがこの地を訪れた戦国時代末期には移動だけでも数週間かかったのではないでしょうか。やっぱり青き目のサムライはすごいなあ。

 

 真相はコーエーテクモさんとウィリアムさんくらいしか知らないと思うのですが、恐らく闇の奥の二次創作となっているのは中津市の中でも耶馬渓(やばけい)と呼ばれる渓谷地帯だと考えられます。蝙蝠がでそうな洞窟、今にも崩れそうな崖、高低差の激しさ……どこからどうみても仁王の二次創作ですね。耶馬渓は名前からしてやばいのですが、耶馬トピアなどといういかにもやばそうな場所まであり、やばいのが好きな人は仁王関係なく訪れてみるのも楽しいのではないかなと思いました。是非行ってみてください。(投げやり) ……という前置きはここまでにして、いよいよ名スポットを紹介していきたいと思います。

 

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  こちらが耶馬渓の地図です。今回は時間があまりなかったので、地図中央少し上の妙見窟にだけ行ってきました。結論から言うと残念ながら飛縁魔に会うことはできませんでした。もう少し山奥に行かないと会えないんでしょうかね。

 

耶馬渓のここがヤバい!① ~絶対に崩れる橋~

 青の洞門近くの駐車場から妙見窟に行くには険しい山道を登る必要があります。距離的にはそこまで離れてはいないのですが高低差がとても激しく、山道を登ることを想定していなかった軽装オタクくんには本当にきつい道中でした。息も絶え絶えになりながら登山をその時、こいつが現れました。

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 勘の良い仁王プレイヤーの皆様なら、もうお分かりですね?この橋、どう見ても崩れます。崩れなかったとしても橋の裏側から敷次郎が湧いてくるか、渡っている最中に遠くから大筒で撃ち抜かれることでしょう。ここまで露骨な罠を見たのは久しぶりなので笑ってしまいました。疲れていてかなり危険だったので猫透っ波で切り抜けましたが、軽々しい気持ちで対策せず渡ろうとしていたらどうなっていたことか……

 

耶馬渓のここがヤバい!② ~大蝦蟇と玄武~

 橋を渡ってしばらく歩いていくと、また厄介な面々に出くわします。

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 そこには、本来は遥か先の東海編に登場するボスであるはずの大蝦蟇と、家康に仕えた僧として有名な南光坊天海の守護霊である玄武が物々しく鎮座していました。どう考えても戦える状態ではないので落命を覚悟したのですが、運良く向こう側に戦意がなかったのか戦いは勃発しませんでした。彼らの周りには謎の賽銭が散らばっており(おそらく奉納?)、これのおかげで期限が良かったのかもしれません。

 

耶馬渓のここがヤバい!③ ~妙見窟の社~

 

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 大蝦蟇と玄武を切り抜けて進み、ついに妙見窟の社にまで辿り着きました。ここが中間地点なのかボス前なのかはよくわかりませんが、一先ず社で拝んでセーブできることに感謝しましょう。これでもう崖から落ちて落命しても安心です。妙見窟の近くには洞窟とまではいきませんが、蝙蝠が十分住むことのできそうな暗がりが多数存在しており、夜にここに近づいたウィリアムさんを崖下に突き落としまくってることが容易に想像できます。

 

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 蝙蝠のいそうな暗がり。結構じめっとしていて、常世も発生してそう。

 

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 また、社の前には賽銭がばらまかれていました。きっと多くのウィリアムさんが奉納をしてアムリタをゲットしようとしていたのでしょう。

 

 妙見窟を更に奥へと進んでいくと、鎖を利用して崖を渡らないといけないリアル落命スポットがあったりするらしいのですが、既にここまでで体力の限界が来ていたことや、近年の安全志向から鎖場が立ち入り禁止になったらしいというような噂などもあり、これより先には行きませんでした。死なないに越したことはありません。アムリタ落としたくないし。

 

耶馬渓のここがヤバい!④ ~リアル落命スポット~

 下山後、折角なので下から鎖を使って通るらしい崖のあたりを眺めてみることにしました。

 

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 ……怖い。こんなのウィリアムさん以外だったら絶対に落命するに決まっています。原作でここを根城に暮らしていた山賊さんたちは本当に何者だったんでしょう。度胸ありすぎでしょ。閉鎖されて当然なのでは?ちなみに(原作をやった皆さんなら当然ご存じでしょうが)原作の闇の奥のステージの最初の方ではこんな感じの崖際を渡らされたりするのですが、この崖はそのあたりをモチーフにして作られているのかもしれませんね。

 

耶馬渓のここがヤバい!⑤ ~洞窟~

 耶馬渓には青の洞門と呼ばれている洞窟があります。ここは禅海さんという和尚さんが、この断崖絶壁だらけの耶馬渓を渡って命を落とす通行人を見て哀れみ、ノミだけを使って30年近くかけて掘りぬいたと言われているそうです。青の洞門と呼ばれているのは、やはり青き目のサムライであるウィリアムさんがここで事件を解決したことに因んでいるのでしょう。

 

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 これが青の洞門の入り口です。洞窟自体の長さはそれほどでもないのですが、本当にノミだけで掘りぬいたのならその執念に感服してしまいます。内部は輪入道や骸武者で溢れかえってそうに見えますが意外にも一匹もいませんでした。お坊さんの法力とかの影響かな。

 

というわけで今回の記事はここまでになります。耶馬渓ではそこまで写真を撮っていないので少し短めになりましたがいかがだったでしょうか。次回は大宰府立花宗茂資料館・その他のおまけなどを紹介していくつもりなので少し長くなるかもしれませんがまた読んでいただけると嬉しいです。